Symptoms

病気・症状

過敏性腸症候群

このようなお悩みや症状はありませんか?

  • 腹痛が続く
  • 下痢や便秘を繰り返す
  • 通勤時や通学時に突然便意を感じる
  • 食後すぐにお腹が痛くなる
  • 緊張すると下痢を起こす
  • 便秘が続いている

上記のお悩みや症状がある方は、過敏性腸症候群の可能性があります。過敏性腸症候群は、身体的、精神的ストレスが大きく関与しており、食事によって症状が誘発されると言われています。過敏性腸症候群と上手に付き合うことが生活の質に関わります。我慢することなく早めに消化器専門外来に相談をしましょう。

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過敏性腸症候群とは?

過敏性腸症候群(IBS)は、消化管に異常が見られないにもかかわらず、腹痛や不快感、便通の異常が続く症候群です。IBSは「機能性消化管障害」の一つとされ、消化器官に構造的または生理的な異常がないにもかかわらず、症状が現れることが特徴です。

過敏性腸症候群は、胃腸の運動機能が過剰または不十分であることが原因となる場合がありますが、その正確なメカニズムは完全には解明されていません。IBSは世界中で非常に多くの人々に見られる疾患で、特に女性に多く発症する傾向があります。

過敏性腸症候群の症状は、腹痛や腹部膨満感、便通異常(下痢や便秘)、ガスの発生、食後の不快感などが含まれます。これらの症状は、ストレスや食事、生活習慣などと関連して悪化することが多く、患者さまはしばしば日常生活において不安やストレスを感じることになります。

過敏性腸症候群の症状

腹痛・腹部不快感

腹部に不快感や痛みを感じることが多く、痛みは一般的に腹部の下部に現れることが多いです。痛みは食事の後に強くなることがあり、排便によって痛みが和らぐこともあります。

便通異常

IBSの患者に最も見られる症状は、便通異常です。以下のようなパターンが観察されます。

下痢型IBS

急激な便意を感じ、便が軟らかく、頻繁に下痢を繰り返す状態。

便秘型IBS

便が硬く、排便が困難であることが多い状態。便秘の期間が続くこともあります。

混合型IBS

下痢と便秘が交互に現れるタイプ。

腹部膨満感

お腹が張ったり膨らんだりする感覚が頻繁に起こります。これにより、食後に特に不快感を感じることがあります。

ガスの発生

ガスの蓄積やおならの頻度が増えることがあります。特に食後にガスがたまりやすくなることがあります。

過敏性腸症候群の原因

過敏性腸症候群の正確な原因はまだ完全には解明されていませんが、以下の要因が関与していると考えられています。

腸の運動異常

過敏性腸症候群では、腸の運動機能に異常が生じることが多いとされています。腸の筋肉が異常に収縮したり、逆に緩んだりすることがあり、これが腹痛や便通異常を引き起こします。腸が過敏に反応するため、通常では問題ないような刺激でも強い不快感を感じることがあります。

腸内細菌のバランス

腸内フローラ(腸内細菌)のバランスが乱れることもIBSの原因とされています。腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れることで、消化管の働きが不安定になり、IBSの症状が悪化する可能性があります。

神経系の異常

過敏性腸症候群は、腸の神経系にも異常があることが示唆されています。腸には膨大な数の神経が存在し、腸脳相関(腸と脳が密接に連携している現象)によって、腸の状態が精神的な影響を受けることがあります。ストレスや不安が腸の動きに影響を与え、IBSの症状を引き起こすことがあります。

精神的なストレス

過敏性腸症候群の患者では、ストレスや不安、心理的な要因が症状を悪化させることが多いです。精神的なストレスが腸の働きに悪影響を与えるため、IBSの症状が強く現れることがあります。

食事

食事内容がIBSの症状を引き起こしたり、悪化させたりすることがあります。特に脂っこい食べ物や刺激物(カフェイン、アルコール、辛い食べ物など)が症状を悪化させることがあります。また、食物繊維の摂取が不十分である場合、便秘を悪化させることがあります。

過敏性腸症候群になりやすい人とは?

過敏性腸症候群(IBS)は、特定の要因が重なることで発症しやすくなることがあります。以下のような人々はIBSになりやすいとされています。

女性

過敏性腸症候群は女性に多く見られる疾患で、男性に比べて発症率が高いことが知られています。ホルモンの変動が腸の働きに影響を与えることが一因と考えられています。特に月経周期や妊娠中など、ホルモンバランスの変化に伴って症状が悪化することがあります。

ストレスを多く抱えている人

精神的なストレスがIBSの発症や悪化に関与するため、ストレスの多い生活を送っている人々はIBSになりやすいとされています。仕事や家庭のプレッシャー、人間関係などのストレスが腸の働きに悪影響を与えることがあります。

過去に胃腸の感染症を経験した人

過去に胃腸の感染症を経験したことがある人は、IBSを発症しやすいとされています。特に、腸内の細菌やウイルスが腸管に影響を与えることがあり、その後にIBSの症状が現れることがあります。

過敏性腸症候群の治療

過敏性腸症候群の治療は、症状を軽減することを目的としています。治療方法は患者さまの症状やライフスタイルに合わせて選択されます。以下の治療法が考えられます。

食事療法

食事の改善はIBSの治療において重要な役割を果たします。特に以下のポイントが推奨されています。

「FODMAP」に基づく食事療法

FODMAPとは、発酵性のオリゴ糖、二糖類、単糖類およびポリオールの総称で、これらの炭水化物は腸内でガスを発生させやすく、一部のIBS患者で症状を悪化させる可能性があります。

低FODMAP食とは、これらの食品を一時的に制限し、症状が改善した後に徐々に再導入する方法です。

高FODMAP食品の例
  • 小麦、大麦、ライ麦を含むパンやパスタ
  • 玉ねぎ、にんにく、キャベツ、カリフラワー
  • 牛乳、ヨーグルト、ソフトチーズ
  • りんご、梨、スイカ
  • ソルビトールやマンニトールを含む加工食品
低FODMAP食品の例
  • 米や米粉製品
  • ナス、ズッキーニ、ほうれん草
  • ラクトースフリーの乳製品
  • いちご、バナナ、オレンジ

注意点

低FODMAP食は、専門医や管理栄養士の指導のもとで行うことが推奨されます。また、長期間の実施は栄養バランスを崩す可能性があるため、個々の状況に応じて調整する必要があります。

  • カフェインやアルコールの制限:刺激物は腸管運動を活発化させ、症状を悪化させることがあります。
  • 脂肪分の多い食事の回避:脂肪分の高い食品(揚げ物、バター、クリームなど)は一部の患者で症状を悪化させる可能性があります。
  • 小分けでの食事摂取:一度に多量の食事を摂ると腸に負担をかけるため、少量ずつ分けて摂取することが推奨されます

参考文献 日本消化器病学会「過敏性腸症候群ガイドライン」

薬物療法

薬物療法は、症状の管理に役立ちます。下痢型IBSには下痢止め薬、便秘型IBSには便秘薬が処方されることがあります。また、腹痛や不快感を和らげるために、抗けいれん薬や抗うつ薬が使われることもあります。

精神的なサポート

過敏性腸症候群はストレスや不安と密接に関連しているため、カウンセリングや認知行動療法(CBT)などの心理的サポートが有効な場合があります。

生活習慣の改善

規則正しい生活、十分な睡眠、適度な運動がIBSの症状改善に寄与することがあります。

過敏性腸症候群の検査

過敏性腸症候群の診断は、主に症状に基づいて行われますが、他の疾患と区別するために大腸内視鏡検査(大腸カメラ)が有用です。

大腸内視鏡検査(大腸カメラ検査)

大腸内視鏡検査(大腸カメラ検査)は、消化管に異常がないかを確認するために使用されます。IBSの診断を確定するためではなく、他の疾患を除外する目的で行われます。

過敏性腸症候群は、消化器系の疾患でありながら、構造的な異常は見られないという特徴があります。症状としては腹痛、腹部膨満感、便通異常などがあり、患者の生活に大きな影響を与えることがありますが、治療を行うことで症状をコントロールすることが可能です。治療には食事療法や薬物療法、心理的サポートが重要であり、早期に発見し適切な対応を行うことが、症状の改善に繋がります。

当院の大腸カメラ検査の特徴

1.熟練の内視鏡専門医による大腸カメラ検査

当院では経験豊富な内視鏡専門医が丁寧に大腸カメラ検査を実施しています。細かい部分までしっかり確認し、安心安全に下部消化管内視鏡検査を行います。

2.平日忙しい方でも実施可能な土曜日の大腸カメラ検査

平日に時間が取れない方のために、土曜日の大腸カメラ検査を実施しています。お仕事がお忙しい方や主婦の方などでも受診しやすい体制を整えております。

3.オリンパス社製の高性能内視鏡システム「EVIS X1」導入

オリンパス社製の高性能内視鏡システム「EVIS X1」を導入しています。高精細な画像でより正確な診断が可能となり、大腸がんなどの早期発見・早期治療に努めています。

4.鎮静剤を用いた眠ってできる大腸カメラ検査

鎮静剤を使用して、リラックスした状態で大腸カメラ検査を受けていただくことが可能です。眠っている間に大腸カメラ検査が終わるため、痛みや不快感を感じず、ストレスなく受診できます。

5.高性能内視鏡AIシステムの完備

内視鏡AIは大腸カメラ検査時にAIを使用し高い精度で大腸がんや大腸ポリープを検出することができるシステムです。内視鏡専門医の目とAIの目で見逃しを防ぐことが可能となります。

6.完全個室のテレビ付き待機室・リカバリースペース完備

完全個室の待機室を完備し、プライバシーにも配慮しております。待機室にはテレビも完備しており、院内での下剤服用時にもリラックスしてお待ちいただけます。また、内視鏡検査後はリカバリースペースにて、ゆっくりと回復していただくこともできます。

7.日帰り大腸ポリープ切除

大腸ポリープは、大腸カメラ検査中に発見された場合、その場で切除する日帰り手術が可能です。日帰り手術は入院の必要がなく、経済的や時間的な負担が少なくなります。

8.専門医による潰瘍性大腸炎 クローン病の手厚いフォロー

潰瘍性大腸炎の検査と治療ができるクリニックは、2024年現在当院以外に当地区にはございません。患者さまと医療者が協働で意思決定するアプローチであり、 患者さまの健康と幸福を最優先に考えた医療を提供することを目指しています。

過敏性腸症候群に関するご相談

当院では、経験豊富な内視鏡専門医が過敏性腸症候群の診断を実施しております。過敏性腸症候群は、生活の質に大きく関わる病気です。些細な症状でも我慢することなく可児市にある内視鏡・炎症性腸疾患センター 梶の木内科医院までお早めにご相談ください。

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この記事の監修者

内視鏡専門医 片野 敬仁KATANO TAKAHITO

所有資格

  • 日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医・指導医
  • 日本消化器病学会 専門医・指導医
  • 日本消化管学会 胃腸科専門医
  • 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
片野 敬仁

日本人の死因の第一位は「がん」ですが、治る可能性を高めるためには早期の発見が大切です。胃や食道・大腸など消化管のがんの早期診断のためには、内視鏡検査を定期的に受けていただくことが最も有用です。
一方で症状があったとしても、「そろそろ検査を受けなくては・・・」と思っていても、「内視鏡検査は苦しそう」というイメージが先行して受診することをためらう方も多くいらっしゃいます。当院では、そんな皆さまの不安を取り除き、様々な思いに寄り添い、「来てよかった」「これならまた内視鏡検査を受けよう」と思っていただけるような内視鏡検査を心がけています。自分自身の健康を守るためだけでなく、愛する方との幸せな時間を長く過ごしていただくためにも、ぜひ梶の木内科医院での内視鏡検査を体験してください。