胃がん
このようなお悩みや症状はありませんか?
- 上腹部に痛みがある
- 食欲不振が続いている
- 急激な体重減少がある
- 吐き気や嘔吐がある
- 血便や黒色便が出る
- 腹部膨満感を感じる
- 胸焼けや胃もたれがある
- 慢性的な貧血や息切れや疲労感がある
- 食物を飲み込む際に違和感や痛みを感じる
- 背中や胸の痛みを感じる
- ご家族に胃がんの方や患ったことがある方がいる
- ピロリ菌に感染しているまたは除菌経験がある
- 40歳以上一度も胃カメラ検査を受けたことがない
上記のお悩みや症状がある方は、胃がんの可能性があります。胃がんは早期に発見することができれば、完治できる病気と言われています。些細な症状でもお早めに消化器専門外来に相談をしましょう。
胃がんとは?
胃がんは、胃の内壁に発生する悪性の腫瘍で、消化器系の中でも発症頻度が高いがんの一つです。胃は食物を消化する重要な臓器であり、その内壁は粘膜、筋肉、外層の結合組織から成り立っています。胃がんは、胃の内壁にある粘膜層の細胞が異常に増殖することで発生します。最も一般的な胃がんのタイプは、「胃腺がん」で、これは胃の内壁にある腺細胞ががん化したものです。胃がんは、がんがどの部分に発生したかや進行具合に応じて、さまざまな分類やステージがつけられます。進行することで、腫瘍が胃の外に広がり、リンパ節や他の臓器にも転移することがあります。
胃がんは初期段階ではほとんど症状が現れません。これが胃がんを早期に発見するのが難しい原因の一つです。胃がんが進行すると、下記のような症状が現れますが、進行するまで症状が出ないため、早期発見が非常に重要です。
胃がんの症状は?
胃がんは初期の段階ではほとんど自覚症状がないことが多く、進行するまで気づかれにくいことがあります。がんが進行するにつれて、いくつかの症状が現れます。以下に、胃がんの代表的な症状を紹介します。
1. 上腹部の痛みや不快感
胃がんが進行すると、胃の上部(上腹部)に鈍い痛みや不快感を感じることがあります。この痛みは、胃の腫瘍が大きくなることで胃壁が圧迫され、神経が刺激されるために起こります。痛みは、食事後や空腹時に強く感じることが多く、最初は軽い不快感から始まり、進行とともに強くなることがあります。痛みは一時的に治まることもありますが、進行するにつれて慢性的になります。
2. 食欲不振
胃がんが進行することで、胃の機能が低下し、食欲が減少します。腫瘍が胃の内壁を占めることで胃の容量が減り、食物を消化する能力が低下します。その結果、食事をとる気がなくなり、食欲不振が続きます。これに伴い、体重が急激に減少することがあります。
3. 吐き気や嘔吐
胃がんが進行し、胃の出口が狭くなる(幽門狭窄)と、食べ物が胃から腸に移動しにくくなります。これにより食物が胃内に滞留し、吐き気や嘔吐が生じます。嘔吐物には食物の残りだけでなく、胃液や血液が混じることがあります。特に血液が混じる場合は、出血があることを示唆しており、非常に危険なサインです。
4. 血便や黒色便
胃がんによる出血は消化管に影響を与え、血液が便に混じることがあります。血液が胃で消化されると、便が黒くなることがあり、これを「タール状便」と呼びます。黒色便は消化管からの出血を示す重大な症状であり、胃がんの可能性を疑うべきサインです。また、便に新鮮な血液が混じることもあり、この場合は出血が胃からではなく大腸に近い部位から来ていることが考えられます。
5. 貧血
胃がんが進行すると、慢性的な出血が続くことがあります。出血は微量でも継続的に起こるため、貧血を引き起こすことがあります。貧血の症状には、顔色の悪さ、息切れ、疲れやすさ、立ちくらみなどがあり、特に日常的な生活に支障をきたすことがあります。貧血が進行すると、体力や免疫力が低下し、他の病気を引き起こすリスクも高まります。
6. 腹部の膨満感や食後の不快感
胃がんがあると、胃の内側に腫瘍ができるため、胃の容量が減少し、食後に膨満感や不快感を感じることがあります。食べ物が胃に溜まりやすくなり、消化不良のような症状が続くこともあります。また、胃の不快感は食事中や食後に悪化し、食欲がさらに低下することがあります。
胃がんの原因
胃がんの発症にはいくつかの要因が関与しています。複数の因子が組み合わさって胃がんが発症するため、原因を一つに特定することは難しいですが、以下のような要因が胃がんのリスクを高めることが知られています。
1. ピロリ菌感染
ピロリ菌は、胃がんの発症に深く関わる細菌として広く認識されています。ピロリ菌が胃の内壁に感染し、慢性胃炎を引き起こすことで、胃の粘膜が損傷し、長期間にわたる炎症が胃がんの原因となります。ピロリ菌による感染は、胃がんのリスクを高めるとされています。ピロリ菌感染が長期にわたると、胃の粘膜が萎縮し、胃がんに進行する可能性が高くなります。
2. 食生活
食生活も胃がんに深く関わっています。特に塩分が多い食事、加工食品、漬物などが胃がんのリスクを高める原因となります。また、野菜や果物を十分に摂取しないことも胃がんを引き起こすリスク因子です。過度のアルコール摂取やタバコの喫煙も胃がんの発症を促進することがわかっています。これらの食習慣や生活習慣は胃がんの原因となり得るため、予防にはバランスの取れた食事や禁煙、節酒が重要です。
3. 遺伝的要因
胃がんには遺伝的な要因も関与しているとされています。家族に胃がんの患者さまが多い場合、遺伝的に胃がんにかかりやすい可能性が高くなります。特に近親者に胃がん患者さまがいる場合は、胃がんのリスクが上昇すると言われています。遺伝子の変異や異常が胃の内壁の細胞に影響を与え、がんの発生を促すことがあります。
4. 高齢者や性別
胃がんは高齢者に多く、特に60歳以上の男性に多く見られます。年齢が上がるにつれて胃がんの発症リスクは高くなります。男性は女性よりも胃がんにかかりやすい傾向がありますが、女性にも胃がんの発症はみられます。
5. 環境因子や感染症
環境因子も胃がんのリスクを高める原因となります。過度なストレスや、過去の胃手術歴、または胃に過剰な負担をかけるような食習慣(例えば、唐辛子や塩分の多い食べ物)も胃がんのリスク因子です。さらに、過去に胃の感染症を経験した場合や、胃の炎症が長期間続くと、胃がんを発症するリスクが高くなります。
胃がんにかかりやすい人とは?
胃がんにかかりやすい人には、いくつかの特徴があります。これらの特徴を知ることで、早期発見や予防策を講じることが可能です。
1. ピロリ菌に感染している人
ピロリ菌感染は、胃がんの最も大きなリスク因子とされています。ピロリ菌が胃の内壁に感染すると、炎症が長期間続き、その結果、胃の粘膜が萎縮し、がん化する可能性が高くなります。ピロリ菌感染がある場合は、除菌治療を行うことで胃がんのリスクを減らすことができます。
2. 食生活が不規則な人
塩分や加工食品が多い食事を続けると、胃がんのリスクが高まります。また、野菜や果物が不足しがちな食生活もリスクを高めます。バランスの良い食生活を心掛けることが予防に繋がります。
3. 家族に胃がんの患者さまがいる人
胃がんには遺伝的要因が関与することがあり、家族に胃がん患者が多い人はリスクが高いとされています。特に直系の親や兄弟が胃がんを発症している場合、注意が必要です。
4. 喫煙者や過度のアルコール摂取者
喫煙や過度のアルコール摂取も胃がんのリスク因子です。タバコに含まれる有害物質やアルコールが胃の内壁にダメージを与え、がんを引き起こす可能性があります。
5. 高齢者や男性
胃がんは高齢者に多く、特に男性に多く見られます。年齢が進むと、胃の粘膜が傷つきやすく、がんを発症するリスクが高くなります。男性は、特に胃がんにかかりやすいと言われています。しかし、若年の女性でも胃がんを発症することはありますので、定期的な内視鏡検査が重要です。
胃がんの初期症状は?
胃がんの初期段階では、症状がほとんど現れません。しかし、症状が進行すると、食欲不振や腹部の痛み、膨満感、体重減少などのサインが現れます。初期の段階で発見するためには、定期的な検査が非常に重要です。
ピロリ菌と胃がんの関係
ピロリ菌は胃がんの主要な原因とされています。ピロリ菌が胃の内壁に感染し、慢性炎症を引き起こすことで、胃がんのリスクが高まります。ピロリ菌の除菌治療が、胃がんの予防に効果的であることが証明されています。
胃がんを早期発見するための検査
胃がんを早期に発見するためには、定期的な胃カメラ検査(上部内視鏡検査)が最も有効です。内視鏡を使って胃の内壁を直接観察し、異常があれば生検を行ってがんの有無を調べます。特に、ピロリ菌に感染している人や、胃がんのリスクが高い人は、早期に検査を受けることが重要です。
当院の胃カメラ検査の特徴
1.熟練の内視鏡専門医による胃カメラ検査
当院では経験豊富な内視鏡専門医が丁寧に胃カメラ検査を実施しています。細かい部分までしっかり確認し、安心安全に上部内視鏡検査を行います。
2.平日忙しい方でも実施可能な土曜日午前中の胃カメラ検査
平日に時間が取れない方のために、土曜日の午前中に胃カメラ検査を実施しています。お仕事がお忙しい方や主婦の方などでも受診しやすい体制を整えております。
3.オリンパス社製の高性能内視鏡システム「EVIS X1」導入
オリンパス社製の高性能内視鏡システム「EVIS X1」を導入しています。高精細な画像でより正確な診断が可能となり、胃がんなどの早期発見・早期治療に努めています。
4.鎮静剤を用いた眠ってできる胃カメラ検査
鎮静剤を使用して、リラックスした状態で胃カメラ検査を受けていただくことが可能です。眠っている間に胃カメラ検査が終わるため、痛みや不快感を感じず、ストレスなく受診できます。
5.実績豊富なベテラン医師による鼻からできる経鼻内視鏡検査
豊富な経験を持つ医師が、鼻から挿入する経鼻内視鏡で検査を行います。従来の経口内視鏡に比べ、喉の不快感が少なく、快適に上部内視鏡検査を受けていただくことができます。
6.完全個室のテレビ付き待機室・リカバリースペース完備
完全個室の待機室を完備し、プライバシーにも配慮しております。待機室にはテレビも完備しており、リラックスしてお待ちいただけます。また、内視鏡検査後はリカバリースペースにて、ゆっくりと回復していただくこともできます。
胃がんに関するご相談
当院では、経験豊富な内視鏡専門医が胃がんの診断を実施しております。胃がんは早期発見で完治できる病気と言われています。些細な症状がある場合や、ご家族に胃がんを患ったことがある方なども可児市にある内視鏡・炎症性腸疾患センター 梶の木内科医院までお気軽にご相談ください。
- この記事の監修者
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内視鏡専門医 片野 敬仁KATANO TAKAHITO
所有資格
- 日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医・指導医
- 日本消化器病学会 専門医・指導医
- 日本消化管学会 胃腸科専門医
- 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医