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【可児市】潰瘍性大腸炎の症状・検査・治療を専門医が解説

【可児市】潰瘍性大腸炎の症状・検査・治療を専門医が解説

「血便が出ているけれど様子を見ている」

「下痢が続いているが忙しくて受診できていない」

「お腹の調子がずっと悪い」

このような症状がある方の中には、潰瘍性大腸炎という病気が隠れている場合があります。

潰瘍性大腸炎は近年、日本で患者数が増えている病気の一つです。

早期に診断し、適切な治療を行うことで、症状をコントロールしながら生活することが可能です。

この記事では、

・潰瘍性大腸炎はどんな病気か

・症状

・検査方法

・治療

・日常生活のポイント

について、消化器専門医の立場からわかりやすく解説します。

岐阜県 可児市だけでなく、美濃加茂市や多治見市など周辺地域の方にも参考になれば幸いです。

1.潰瘍性大腸炎とはどんな病気?

潰瘍性大腸炎とは、大腸の粘膜に慢性的な炎症が起こる病気です。

炎症が続くことで腸の粘膜が傷つき、『血便』『下痢』『 腹痛』『倦怠感』『発熱』のような症状が現れます。

この病気は『炎症性腸疾患(IBD)』と呼ばれる病気の一つで、症状が落ち着く「寛解」と、悪化する「再燃」を繰り返す特徴があります。

しかし、適切な治療を続けることで、症状をコントロールしながら生活することが可能です。

2.執筆者プロフィール

3.この病気の人はどれぐらいの数いるのか?

潰瘍性大腸炎は、日本で年々増えている病気です。現在、2023年の疫学調査によると、日本に30万人以上の患者がいると推計されています。

発症はどの年代でも起こりますが、特に

・ 20〜30代

・ 40代

に多いとされています。

難病情報センター 潰瘍性大腸炎(指定難病97)より引用

若い世代でも発症することがあり、「お腹が弱い体質だと思っていたら潰瘍性大腸炎だった」というケースも少なくありません。

男女差は大きくありませんが、虫垂切除をした人では発症リスクが低いことや、喫煙をする人はしない人と比べて発病しにくいことが報告されています。

4.この病気の原因

潰瘍性大腸炎の原因は完全には解明されていません。

現在は次のような要因が関係していると考えられています。

・免疫の異常

・腸内細菌の変化

・遺伝

・生活習慣やストレス

これらが複雑に関係し、腸に炎症が起こると考えられています。

5.潰瘍性大腸炎の症状

潰瘍性大腸炎では次のような症状がみられます。

血便

最も特徴的な症状です。

便に血や粘液が混ざることがあります。

下痢

1日に何度もトイレに行くことがあります。

腹痛

腸の炎症により腹痛が起こることがあります。

便意切迫

急に強い便意を感じることがあります。

体重減少・貧血

炎症や出血により体調不良が続くこともあります。

このような症状が続く場合は、医療機関での大腸内視鏡検査をおすすめします。

6.検査方法

潰瘍性大腸炎の診断には、いくつかの検査を組み合わせて行います。

血液検査

炎症の程度や貧血の有無を確認します。

便検査

感染性腸炎など他の病気との区別を行います。

大腸カメラ(大腸内視鏡)

大腸カメラでは、大腸の粘膜を直接観察し

・炎症の範囲

・出血

・潰瘍

などを確認します。

必要に応じて組織を採取し、顕微鏡でさらに詳しく調べます。

当院の大腸カメラ検査は、患者さんの負担を減らすために

・内視鏡専門医による苦痛の少ない検査

・AI搭載の最新カメラを採用

・完全個室の待機スペース完備

・日帰り大腸ポリープ切除

などの体制を整えています。

「大腸カメラが不安」という方も、安心してご相談ください。

梶の木内科医院の大腸カメラの特徴についてはこちらからご確認いただけます。

7.潰瘍性大腸炎の治療法

治療の目的は炎症を抑え、症状を落ち着かせること(寛解)です。

主な治療には

・内服薬治療、点滴・注射での治療

・炎症を抑える治療

・再燃を防ぐ維持治療

があります。症状の程度や炎症の範囲によって、最適な治療を選択します。

8.医師に相談したあとの診断と治療の流れ

一般的な診療の流れは次のようになります。

1 診察

2 血液検査

3 大腸カメラ(大腸内視鏡検査)

4 診断

5 治療開始

症状の原因を正確に調べるためには、大腸カメラ検査が重要です。

9.お薬について

潰瘍性大腸炎の治療では、主に次の薬が使用されます。

・5-ASA製剤

・ステロイド

・免疫調整薬

・生物学的製剤

・低分子化合物

症状に応じて薬を組み合わせながら治療を行います。

10.食事について

食事だけで病気が治るわけではありませんが、症状のコントロールに影響します。

基本は、主食、主菜、副菜をバランスよく摂取することです。

そのなかでも、主菜の取り方にポイントを紹介します。

肉、魚、大豆製品、卵をバランスよく。

1回量60~80gを目安に食べるようにしましょう。

お魚を食べるよう心がける。

 お魚の油は、オメガ脂肪酸が含まれており炎症を抑える効果があると言われています。

お肉とお魚どちらを食べるか悩んだらお魚を選ぶことをおすすめします。

生ものには注意を。

生肉・生魚は腸内環境を悪化させやすく控えめに。おなかの調子が悪いときは避けることをおすすめします。

調理方法も一工夫を

柔らかく煮込む・蒸すなど消化の良い調理法がおすすめです。

脂質は控えめに

脂質は下痢を起こしやすく脂っこいためものは控えめに。

低FODMAP(フォドマップ)食

また、低FODMAP(フォドマップ)食を取り入れることで、症状が改善する場合もあります。

大切なのは「自分に合うかどうか」ここが一番大事なポイントです。FODMAPは「全員に絶対ダメ」というものではありません

同じ食品でも、「食べても平気な人」と「症状が出やすい人」がいます。そのため、「少しずつ試してみる」「食べた後の体調を観察する」ことがとても大切です。

しかし、FODMAP食を意識しすぎることで、

・食べられるものが減る

・栄養バランスが偏る

・食事のストレスが増える

といったデメリットもあります。「ちょっと調子が悪いときに意識する」くらいでも問題ありません。

潰瘍性大腸炎の方にとってFODMAPは、

・お腹の調子を整えるヒントになる

・でも厳しすぎる制限は不要

という考え方が大切です。 

「これは自分に合うかな?」と少しずつ試しながら、無理のない範囲で取り入れていきましょう。

11.専門医からのアドバイス

潰瘍性大腸炎は長く付き合う病気ですが、現在は治療法が大きく進歩しています。適切な治療を続けることで、多くの患者さんが通常の生活を送ることができます。

症状を我慢せず、早めに医師へ相談することが大切です。

WEB予約はこちらから

12.日常生活の過ごし方

日常生活では次のことを意識しましょう。

・ストレスをためすぎない

・十分な睡眠

・定期的な大腸カメラ検査

特に長期間炎症が続く場合、大腸がんのリスクが高くなることがあるため、定期的な内視鏡検査が重要です。

13.岐阜県周辺で潰瘍性大腸炎に詳しい大学病院

重症例や専門的治療が必要な場合には、大学病院と連携して治療を行います。

岐阜大学医学部附属病院

岐阜県立多治見病院

名古屋大学医学部附属病院

愛知医科大学病院

必要に応じて当院から紹介することも可能です。

14.公的支援の紹介

潰瘍性大腸炎は指定難病に指定されています。

そのため、条件を満たす場合は医療費助成制度を利用できます。

申請は(岐阜県の場合)、

1 医師の診断書

2 保健所への申請

3 医療受給者証の発行

という流れで行います。

指定難病医療費助成の新規申請方法についてはこちらから

また、来院時にもご案内が可能です。

15.「InowIBD(アイノウ・アイビーディー)トイレマップ」とは?

潰瘍性大腸炎などの患者さんの中には、外出中に急にトイレに行きたくなることへの不安を抱える方が多くいらっしゃいます。

I now IBDトイレマップ」は、そんな患者さんが安心してトイレを借りられる施設を一覧で確認できるサービスです。

岐阜県可児市にある梶の木内科医院は、IBD診療に積極的に取り組んでいるクリニックです。
このたび、IBD患者さんが安心してトイレを利用できる病院として、『I now IBDトイレマップ』への登録がされました!

つまり、このマップに掲載されている医療機関・店舗は、「IBD患者さんへの理解・協力のある場所」として、事前に登録・承認された施設です!

🔗IBD患者さんを支援する I now IBD公式サイト 

16.NHK Eテレ「チョイス@病気になったとき」潰瘍性大腸炎特集への補足

2026年3月15日に放送のNHK Eテレ 「チョイス@病気になったとき」~腹痛・血便の原因 憩室炎?潰瘍性大腸炎?~にて、潰瘍性大腸炎の治療や体験談が話題になりました。

潰瘍性大腸炎(UC)で治療をされている方にとって、災害時の備えはとても重要です。ストレスのかかる避難所など普段と違う環境での生活において、体調の変化や薬の確保、食事の問題など、一般の備えに加えて「病気ならではの視点」が必要になります。

そこで今回は、日常から意識しておきたいポイントを補足としてまとめました。

①薬のストックは「少し多め」が安心

災害時には、物流の停止や医療機関の混乱により、すぐに薬を手に入れることが難しくなる可能性があります。そのため、『最低でも数日〜1週間分の余裕を持つ』可能であれば常に1〜2週間分のストックを意識することが大切です。

また、『お薬手帳や薬の情報(写真でもOK)を残しておく』『服用内容を自分で説明できるようにしておく』と、避難先でもスムーズに対応してもらいやすくなります。

② 非常食は「体に合うか」を事前に確認

災害用の非常食は長期保存が可能で便利ですが、潰瘍性大腸炎の方にとっては「食べられるかどうか」がとても重要です。

例えば、『脂質が多いもの』『食物繊維が多すぎるもの』『香辛料が強いもの』は、体調によっては負担になることもあります。そのため、普段から一度食べてみることが大切です。

おすすめは、

・おかゆ・雑炊系のレトルト

・ゼリー飲料

・フリーズドライのみそ汁・スープ

など、自分の体調に合うものを少しずつ試しておきましょう。

③ トイレ問題への備えも忘れずに

潰瘍性大腸炎の方にとって、トイレ環境は非常に重要です。災害時は、トイレの数が不足する、長時間並ぶ必要があるといった状況も想定されます。

災害バッグの中に、

携帯トイレ

消臭袋

おしりふきやトイレットペーパー

などを準備しておくと安心です。

④ 「自分の状態」を周囲に伝えられる準備

見た目では分かりにくい病気だからこそ、いざという時に困ることがあります。たとえば、

・ヘルプマークの活用

・病気の説明カードの携帯

・家族や周囲の人への共有

なども、立派な防災対策です。災害への備えは「特別なこと」ではなく、日常の延長として考えることが大切です。

潰瘍性大腸炎の方の場合は特に、

・薬のストック

・体に合う非常食の確認

・トイレ環境の備え

この3つを意識するだけでも、大きな安心につながります。無理のない範囲で、少しずつ準備を進めていきましょう。

17.ご予約・ご相談はいつでも可能です

次のような症状に当てはまる場合は、早めに医療機関へ受診することをおすすめします。

□ 便に血が混ざることがある(血便)

□ 下痢が2週間以上続いている

□ お腹の痛みが続いている

□ トイレが急に我慢できないことがある

□ 便の回数が以前より増えた

□ 便に粘液が混ざることがある

□ 最近体重が減ってきた

□ 貧血を指摘されたことがある

□ お腹の調子が長く続いて悪い

□ 家族に潰瘍性大腸炎の人がいる

また、これらの症状は潰瘍性大腸炎だけでなく

・ 大腸ポリープ

・ 大腸がん

 ・感染性腸炎

・過敏性腸症候群

などの病気が隠れていることもあります。症状の原因を正確に調べるためには、大腸カメラ検査が有効です。

18.大腸カメラ検査について

大腸カメラ(大腸内視鏡)は、大腸の状態を直接確認できる最も確実な検査です。

検査では

・炎症の有無

・ポリープ

・出血

・腫瘍

などを確認することができます。

当院では、患者さんの負担を減らすため

・内視鏡専門医による苦痛の少ない検査

・AI搭載の最新カメラを採用

・完全個室の待機スペース完備

・日帰り大腸ポリープ切除

を実現し、安心して検査を受けられます。

「大腸カメラが怖い」「検査が不安」という方も多いですが、安心して検査を受けていただけるよう配慮しております。

岐阜県 可児市だけでなく、美濃加茂市や多治見市など周辺地域の方からも多くのご相談をいただいています。

気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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この記事の監修者

内視鏡専門医 片野 敬仁KATANO TAKAHITO

所有資格

  • 日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医・指導医・学術評議員
  • 日本消化器病学会 専門医・指導医
  • 日本消化管学会 胃腸科専門医
  • 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
片野 敬仁

日本人の死因の第一位は「がん」ですが、治る可能性を高めるためには早期の発見が大切です。胃や食道・大腸など消化管のがんの早期診断のためには、内視鏡検査を定期的に受けていただくことが最も有用です。
一方で症状があったとしても、「そろそろ検査を受けなくては・・・」と思っていても、「内視鏡検査は苦しそう」というイメージが先行して受診することをためらう方も多くいらっしゃいます。当院では、そんな皆さまの不安を取り除き、様々な思いに寄り添い、「来てよかった」「これならまた内視鏡検査を受けよう」と思っていただけるような内視鏡検査を心がけています。自分自身の健康を守るためだけでなく、愛する方との幸せな時間を長く過ごしていただくためにも、ぜひ梶の木内科医院での内視鏡検査を体験してください。