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IBD(潰瘍性大腸炎/クローン病)と診断されたことがある方へ

IBD(潰瘍性大腸炎/クローン病)と診断されたことがある方へ
  • IBDは長く付き合う病気

潰瘍性大腸炎やクローン病といった「炎症性腸疾患(IBD)」は、一度診断を受けて終わりではありません。症状が落ち着いている期間もあれば、突然悪化することもあり、日々の生活に影響を及ぼし続ける病気となります。「今は調子がいいから大丈夫」と思えても、腸の中では静かに変化が進んでいることもあります。IBDは、体だけでなく心にも影響を与える病気でもあります。不安や迷い、周囲に理解されにくいつらさ、そんな悩みを抱えながらも、一歩ずつ前に進むあなたのために、当院では「安心して通える医療機関」でありたいと考えています。

炎症性腸疾患のご相談

  • 「寛解=完治」ではありません

IBDは、再燃と寛解を繰り返す慢性疾患となります。症状が治まると、「もう通院しなくてもいいかも」と思ってしまう方も少なくありません。しかし、寛解期は治療をやめていい時期ではなく、“将来の再燃を防ぐために何をすべきか”を考える大切なタイミングでもあります。寛解期でも腸の内部に目立たない炎症が残っている場合があり、無症状でも病気が進行することもあります。当院では、寛解を「治療のゴール」ではなく「よりよい状態を維持するスタート地点」と捉え、継続的なモニタリングと検査を行っています。治療を中断せず、腸の健康を長く保つための治療方針を一緒に考えていきましょう

炎症性腸疾患のご相談

  • 症状が再燃してきたかも?

便の回数が増えてきた、少しお腹が張る、疲れやすいなどこれらはIBDの再燃サインである可能性があります。患者様の中には、再燃を「自分の体調管理の失敗」と感じ、病院から足が遠のいてしまう方もいます。しかし、再燃は誰にでも起こるものであり、大切なのは“早く気づき、早く対応すること”となります。

クローン病では狭窄や瘻孔、膿瘍といった合併症が進行していることもあり、潰瘍性大腸炎でも重症化すれば入院が必要になることがあります。当院では、「ちょっと気になることがある」段階で相談いただけるような雰囲気づくりと迅速な診療体制を整えています。どうか、ご自身の体の変化を無視せず、私たちにご相談ください。

  • 治療は“合うものを見つけること”が鍵です

患者様の人生に寄り添った治療法をご提案いたします

IBD治療は、5-ASA、ステロイド、免疫調整薬、生物学的製剤(バイオ製剤)、JAK阻害薬など多様な選択肢がありますが、それぞれに効果や副作用、生活への影響が異なります。大切なのは「医学的に正しい治療」だけでなく、「その人の生活・価値観に合った治療」となります。当院では、「できるだけ自然に生活したい」「将来を見据えた治療を考えたい」「通院の負担を減らしたい」といった希望に沿って、治療法をカスタマイズしています。医師が一方的に方針を決めるのではなく、患者様と一緒に「納得できる治療方針」を組み立てることを大切にしています。

炎症性腸疾患のご相談

  • 日常の中にある見えない変化にもご注意を

IBDは、単なる内科的疾患ではありません。仕事、食事、旅行、育児、将来設計などあらゆる場面で「IBDであること」が影響します。「今日は何を食べよう」「明日は遠出できるかな」「会議中にトイレに行きたくなったらどうしよう」などこうした不安と日々向き合っている患者様の声を大切にしています。

当院では、栄養相談やストレスマネジメント、社会的サポートに関するご相談も受け付けており、医師・看護師・管理栄養士が連携して、多角的な支援を行います。必要であれば外部支援機関との連携も行い、医療だけでなく「暮らし」も支える体制を整えています。

炎症性腸疾患のご相談

  • IBD患者様にも寄り添った医療の進歩

近年のIBD治療は急速に進化しており、通院回数を減らす自己注射型のバイオ製剤や、JAK阻害薬による経口治療、内視鏡診断の進歩など、患者様の負担を軽減する技術が次々に登場しています。また、便中カルプロテクチン検査やロイシンリッチα2グリコプロテイン (LRG) など、体への負担が少ない炎症チェック方法も整いつつあります。当院では、こうした最新の医療技術を積極的に導入し、常に“今のあなたに最適な医療”を提供できるよう努めています。「前回の治療が合わなかった」「もっと生活に合った治療法を知りたい」などそんなときは、どうぞ遠慮なくご相談ください。

  • 内視鏡・炎症性腸疾患センターの特徴

大腸カメラ検査

  • 継続フォローの重要性

転院やセカンドオピニオンも気軽にご相談ください

IBD治療では、病状の変化に応じて「医療機関を変える」「主治医を変える」という選択も、ときに必要になります。しかし、その一歩がなかなか踏み出せないという方も多くいらっしゃいます。当院では、初診の方にも丁寧に過去の治療歴をお聞きしながら、「他院での診療が合わない」「再診のタイミングを逃してしまった」「今の治療方針に疑問がある」などの悩みに対しても、診療・検査・治療を一から丁寧に再構築してまいります。セカンドオピニオンの受付も行っていますので、安心してご相談ください。

炎症性腸疾患のご相談

  • IBDと共に、あなたらしく生きるために

IBDという病気と生きることは、日常の中に常に「もう一人の自分」を抱えるような感覚かもしれません。誰にも言えない不安、周囲に分かってもらえないつらさ、将来への漠然とした心配など様々あるかと思います。内視鏡・炎症性腸疾患センター(梶の木内科医院)では、患者様が自分らしい人生を歩めるよう全力で支援いたします。調子が悪いときも、いいときも、検査が必要なときも、少し相談したいときも、患者様に寄り添った頼れる医療を提供いたします。些細な症状でもお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

内視鏡専門医 片野 敬仁KATANO TAKAHITO

所有資格

  • 日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医・指導医・学術評議員
  • 日本消化器病学会 専門医・指導医
  • 日本消化管学会 胃腸科専門医
  • 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
片野 敬仁

日本人の死因の第一位は「がん」ですが、治る可能性を高めるためには早期の発見が大切です。胃や食道・大腸など消化管のがんの早期診断のためには、内視鏡検査を定期的に受けていただくことが最も有用です。
一方で症状があったとしても、「そろそろ検査を受けなくては・・・」と思っていても、「内視鏡検査は苦しそう」というイメージが先行して受診することをためらう方も多くいらっしゃいます。当院では、そんな皆さまの不安を取り除き、様々な思いに寄り添い、「来てよかった」「これならまた内視鏡検査を受けよう」と思っていただけるような内視鏡検査を心がけています。自分自身の健康を守るためだけでなく、愛する方との幸せな時間を長く過ごしていただくためにも、ぜひ梶の木内科医院での内視鏡検査を体験してください。