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病気・症状

胃底腺ポリープ

胃底腺ポリープとは?

胃底腺ポリープは、胃の内壁にできる良性のポリープ(腫瘍のような膨らみ)で、主に胃の底部や上部にある胃底腺という腺から発生します。胃底腺は胃の粘膜に存在する腺で、消化液(胃酸や消化酵素)を分泌する役割を担っています。このポリープは、胃の内壁に存在する腺組織の増殖によって形成されますが、通常は無症状であるため、胃カメラ(内視鏡検査)などで偶然発見されることが多いです。

胃底腺ポリープは、一般的に良性であり、悪性化することはまれです。しかし、その発生頻度や、発見される患者層、そして胃がんとの関連が関心を集めています。今回は、胃底腺ポリープの原因や症状、胃がんとの関連について詳しく解説していきます。

胃底腺ポリープの特徴

胃底腺ポリープは、胃の内壁に小さな膨らみとして現れることが多いです。通常、数ミリメートルから数センチメートルの大きさで、腺組織が増殖した結果、ポリープ状の形態をとります。このポリープは、大きくなることもありますが、一般的には無症状であり、胃がんなどの悪性の疾患と区別することが重要です。

また、胃底腺ポリープは、特に胃酸の分泌が多い人や長期的に薬物を使用している人に多く見られますが、一般的には良性の疾患として扱われます。胃底腺ポリープの発生は、消化器系に関する多くの疾患の兆候である場合もありますが、ほとんどの場合、特別な治療を必要としません。

胃底腺ポリープの原因

胃底腺ポリープが発生する原因は完全には解明されていませんが、いくつかの要因が関与していることがわかっています。以下では、胃底腺ポリープの主な原因をいくつか紹介します。

1. 長期間の胃酸分泌の亢進

胃底腺ポリープは、胃酸の分泌が過剰な状態が続くことによって引き起こされることがあります。胃酸は消化のために分泌されるもので、適度な量であれば問題ありません。しかし、胃酸が過剰に分泌されると、胃の内壁に負担がかかり、その結果、胃底腺が異常に増殖してポリープが形成されることがあります。

2. 薬物の使用

プロトンポンプインヒビター(PPI)やヒスタミンH2受容体拮抗薬など、胃酸分泌を抑制する薬剤の長期使用が、胃底腺ポリープの発生に関連していることが知られています。これらの薬物は、胃酸の分泌を抑える作用を持ちますが、胃酸の分泌が低下すると胃の腺が過剰に反応してポリープを形成することがあります。特に、PPIの長期間使用が、胃底腺ポリープの発生と関連しているという報告があります。

3. 遺伝的要因

胃底腺ポリープは、遺伝的要因が関与することもあります。家族に胃腺ポリープの患者さまが多い場合、遺伝的にポリープができやすい体質がある可能性があります。しかし、遺伝的要因が主因となるケースは稀であり、一般的には環境的な要因が大きく影響します。

4. 慢性的な胃炎との関連

慢性胃炎は、胃の粘膜が長期にわたって炎症を起こしている状態です。胃底腺ポリープはピロリ菌感染のない胃にみられることが多いですが、ピロリ菌感染による慢性胃炎(萎縮性胃炎)ではピロリ除菌後に胃底腺ポリープが発生することがあります。

胃底腺ポリープと胃がんの関係

胃底腺ポリープ自体は良性であり、基本的に胃がんにはならないとされています。しかし、胃底腺ポリープと胃がんの関係については一部で関心が寄せられています。

1. 胃底腺ポリープの悪性化のリスクは低い

胃底腺ポリープは、ほとんどの場合、悪性化することはありません。ポリープの多くは小さく、無症状であるため、経過観察が推奨されます。胃底腺ポリープが悪性化することは稀であり、特に腫瘍が小さい場合には、治療が必要なケースはほとんどありません。

2. 胃底腺ポリープが胃がんのサインになることは少ない

胃底腺ポリープが胃がんの前兆やサインになることは非常に稀です。胃がんは通常、異常な細胞の増殖によって形成され、胃底腺ポリープのような良性の腫瘍が直接的にがんに進行することはありません。ただし、胃底腺ポリープが発生する原因が胃炎や胃酸分泌異常にあるため、これらの疾患が進行すると胃がんを引き起こすリスクが高まる可能性があるため、ポリープが見つかった場合でも、胃がんのリスクを減らすために定期的な検査や治療が推奨されます。

3. 関連する疾患の存在

胃ポリープには、胃底腺ポリープの他、過形成性ポリープや炎症性ポリープ、腫瘍性ポリープなどもあります。胃底腺ポリープそのものにはがん化のリスクがなくとも、過形成性ポリープでは、ピロリ菌による感染や胃がんとの合併に注意が必要であり、定期的な内視鏡検査が重要です。

胃底腺ポリープの症状は?

ほとんどの胃底腺ポリープは、症状を引き起こさず、偶然の内視鏡検査で発見されます。特に小さいポリープや、ポリープの数が少ない場合、特に治療が必要ないことがほとんどです。非常に稀ですが下記のような症状が生じる場合がございます。

1. 上腹部の不快感や痛み

ポリープが大きくなると、胃の内壁に圧力がかかることがあります。この圧迫が、上腹部の不快感や軽い痛みを引き起こすことがあります。通常、これは軽度であり、特に食事後に感じることが多いです。

2. 消化不良や胃もたれ

ポリープが胃内で何らかの障害を引き起こすことがあるため、消化不良や胃もたれといった症状が現れることもあります。これらの症状は、ポリープが原因で胃の消化機能が一時的に低下することによるものです。

3. 吐き気や嘔吐

まれに、ポリープが大きくなることで、食物が胃から腸にうまく移動できず、吐き気や嘔吐が生じることがあります。これはポリープが胃の出口付近に位置している場合に起こりやすいです。

胃底腺ポリープは良性の腫瘍であり、悪性化のリスクが低いため、発見された場合でも過度な心配は不要です。しかし、胃底腺ポリープがあったとしても胃がんのリスクを低減させるためには、定期的な胃カメラ検査や適切な治療が大切となります。

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当院の胃カメラ検査の特徴

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当院では経験豊富な内視鏡専門医が丁寧に胃カメラ検査を実施しています。細かい部分までしっかり確認し、安心安全に上部内視鏡検査を行います。

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完全個室の待機室を完備し、プライバシーにも配慮しております。待機室にはテレビも完備しており、リラックスしてお待ちいただけます。また、内視鏡検査後はリカバリースペースにて、ゆっくりと回復していただくこともできます。

胃底腺ポリープに関するご相談

当院では、経験豊富な内視鏡専門医が胃底腺ポリープの診断を実施しております。些細な症状がある場合も可児市にある内視鏡・炎症性腸疾患センター 梶の木内科医院までお気軽にご相談ください。

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この記事の監修者

内視鏡専門医 片野 敬仁KATANO TAKAHITO

所有資格

  • 日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医・指導医
  • 日本消化器病学会 専門医・指導医
  • 日本消化管学会 胃腸科専門医
  • 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
片野 敬仁

日本人の死因の第一位は「がん」ですが、治る可能性を高めるためには早期の発見が大切です。胃や食道・大腸など消化管のがんの早期診断のためには、内視鏡検査を定期的に受けていただくことが最も有用です。
一方で症状があったとしても、「そろそろ検査を受けなくては・・・」と思っていても、「内視鏡検査は苦しそう」というイメージが先行して受診することをためらう方も多くいらっしゃいます。当院では、そんな皆さまの不安を取り除き、様々な思いに寄り添い、「来てよかった」「これならまた内視鏡検査を受けよう」と思っていただけるような内視鏡検査を心がけています。自分自身の健康を守るためだけでなく、愛する方との幸せな時間を長く過ごしていただくためにも、ぜひ梶の木内科医院での内視鏡検査を体験してください。