梶の木内科医院 内視鏡・炎症性腸疾患センターでは、
日本炎症性腸疾患学会認定の「IBD専門医」である内視鏡専門医が、
精度の高い内視鏡検査(大腸カメラ検査)を行っています。

炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎/クローン病)の専門的な診断と治療を提供しておりますので、岐阜県近郊また県外、国外からもIBDでお悩みの方はぜひ一度ご相談ください。
スタッフ一同、心よりお待ちしております。

気になる症状があれば、
まずは当院にご相談ください

24時間WEB予約受付中

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潰瘍性大腸炎とは?

潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に炎症が起こり、びらんや潰瘍を形成してしまう慢性疾患です。

腹痛・下痢・血便・発熱・倦怠感・体重減少などの症状
  • 適切な治療と生活管理でコントロール可能

    潰瘍性大腸炎は「難病」として指定されており、完治が難しい一方で、適切な治療と生活管理によって症状をコントロールしながら社会生活を送ることが可能な病気と言われています。

  • 寛解期と活動期を繰り返す特徴

    潰瘍性大腸炎の特徴は、症状が良くなったり悪化したりを繰り返すことにあります。
    炎症が落ち着いている「寛解期」と、再び強い炎症が起こる「活動期」が交互に現れるため、患者さまの生活の質に大きく影響を与える病気となります。

  • 放置すると合併症リスクが高まる

    症状が軽いうちは「一時的な下痢」と見過ごされがちですが、放置すると炎症が腸管全体に広がり、深刻な合併症を引き起こす危険性があります。
    早期に正しい診断を受けることが何よりも重要です。

潰瘍性大腸炎とクローン病との違い

潰瘍性大腸炎とよく比較される病気に「クローン病」があります。
両者は同じ炎症性腸疾患に分類され、下痢や腹痛といった症状も似ているため、区別が難しいことがあります。
しかし、診断や治療方針を正しく決定するためには、この違いを理解しておくことが欠かせません。

  • 潰瘍性大腸炎
  • 炎症の部位

    大腸の粘膜

  • 炎症の広がり方

    直腸から口側へ連続的に広がる

  • 症状

    下痢・血便・腹痛

  • 治療の特徴

    5-ASA製剤やステロイドが中心。
    難治例では生物学的製剤・JAK阻害剤・S1P受容体調節薬など

  • クローン病
  • 炎症の部位

    口から肛門まで全消化管

  • 炎症の広がり方

    健常部分と病変部分が飛び飛びに存在

  • 症状

    下痢・腹痛・痩せ・肛門病変

  • 治療の特徴

    5-ASA製剤・ステロイドの他、
    栄養療法や生物学的製剤・JAK阻害剤なども多用

潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜に限局した病変であるのに対し、クローン病は小腸を含む広い範囲に及ぶ可能性があります。
この違いが、治療薬の選択や日常生活での注意点にも大きく関わってきます。

その症状はもしかして潰瘍性大腸炎かもしれません

お腹の調子がなかなか良くならず、日常生活の中で
「これは普通の下痢や胃腸炎とは違うのでは?」と感じたことはありませんか。

潰瘍性大腸炎は、炎症性腸疾患のひとつで、大腸の粘膜に炎症や潰瘍ができる病気です。
初期の段階では一過性の腸炎や痔の症状と見分けがつきにくいため、注意深く症状を観察することが大切です。

  • 1

    血便や下血が続く

    潰瘍性大腸炎の最も代表的な症状が血便です。
    鮮やかな赤い血が便に混ざることもあれば、粘液や膿のようなものと一緒に出てくる場合もあります。
    痔による出血と誤解されやすいのですが、繰り返し続くようであれば要注意です。

  • 2

    下痢や軟便が慢性的に続く

    一時的な食あたりや感染症による下痢とは違い、潰瘍性大腸炎では「下痢が何週間も続く」ことがあります。
    夜間にトイレに行くほどの強い便意を伴うことも多く、日常生活に大きな支障をきたします。

  • 3

    腹痛や下腹部の不快感

    腸の粘膜に炎症が起こることで、腹部の痛みや張り感が生じます。
    特に左下腹部に痛みを感じやすく、便意とともに強くなることがあります。

  • 4

    発熱や倦怠感

    炎症が強くなると全身に影響が及び、微熱が続いたり、強い倦怠感を覚えることもあります。
    仕事や学業に集中できないほどの疲れを感じる場合も珍しくありません。

  • 5

    貧血や体重減少

    慢性的な出血や栄養吸収の低下により、鉄欠乏性貧血が進行することがあります。
    顔色が悪い、動悸や息切れがしやすい、体重がどんどん減っていくといったサインも見逃せません。

これらの症状がある方は、潰瘍性大腸炎の可能性もあります。
自己判断することなく専門の医療機関に相談をするようにしましょう。

潰瘍性大腸炎の合併症

潰瘍性大腸炎を放置すると、炎症が腸管にとどまらず全身へ影響を及ぼすことがあります。

1腸管に起こる合併症
  • 大量出血
  • 腸管の狭窄(便の通過障害)
  • 穿孔(腸に穴が開く危険)
  • 中毒性大腸症(大腸が異常に拡張する状態)
2腸管以外の合併症
  • 目の病気:強膜炎、ぶどう膜炎など
  • 皮膚のトラブル:結節性紅斑、壊疽性膿皮症
  • 肝胆道疾患:原発性硬化性胆管炎、膵炎など
  • 関節痛・脊椎関節炎、血管炎、血栓塞栓症

こうした合併症は、病気の進行を早めるだけでなく、
日常生活の支障やQOLの低下につながるため、早期診断と適切な治療が欠かせません。

潰瘍性大腸炎の治療

潰瘍性大腸炎の治療の目的は、ただ症状を一時的に抑えることではなく、炎症を鎮めて寛解を維持することにあります。
この病気は寛解と再燃を繰り返す特徴があるため、治療は「活動期の炎症をいかに早く抑えるか」と「寛解期をできるだけ長く保つか」の二つの柱で進められます。

薬による治療は基本となる方法です。
症状の強さや炎症の範囲、これまでの治療歴に応じて薬の種類を組み合わせていきます。

15-ASA製剤(メサラジンなど)

潰瘍性大腸炎の第一選択薬です。
腸管の炎症を抑える作用があり、活動期の改善だけでなく、再燃を予防する「維持療法」としても長期的に使用されます。
内服薬の他、坐薬や注腸剤の形で直腸炎や左側大腸炎に用いられることもあります。
副作用は比較的少なく、多くの患者さまに安全に使われています。

2ステロイド(プレドニゾロンなど)

炎症が強い場合に短期間使用されます。
即効性があり、重症の症状を抑える効果がありますが、長期使用によって骨粗鬆症・糖尿病・感染症リスクの増加などの副作用があるため、できる限り短期間で減量・中止していきます。
寛解維持には不向きであるため、再燃予防は他の薬と併用します。

3免疫調整薬(アザチオプリン・6-MPなど)

ステロイドに依存してしまう場合や、再燃を繰り返す場合に用いられる薬です。
免疫の過剰な反応を抑える作用があり、長期にわたり寛解を維持する効果があります。
ただし、白血球減少や肝障害などの副作用があるため、定期的な血液検査が欠かせません。副作用の起きやすい遺伝子型が明らかとなっており、治療前に遺伝子の型を確認しておきます。

4生物学的製剤(抗TNFα抗体など)

近年注目されている治療法です。
炎症を引き起こす物質(サイトカイン)を直接抑える薬で、従来の治療で十分な効果が得られなかった中等症〜重症例に用いられます。
効果は高い一方で、免疫抑制による感染症リスクがあるため、適応は慎重に判断されます。
抗TNFα抗体製剤であるインフリキシマブ(点滴)やアダリムマブ(皮下注射)の他、様々な薬剤が使えるようになっています。などが代表的です。

5JAK阻害薬・S1P受容体調節薬

最近登場した新しい治療薬で、従来の治療薬が効かない患者さまにも効果が期待されます。内服で使用できる点が大きな利点ですが、感染症や血栓症などのリスクを考慮しながら使用します。

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潰瘍性大腸炎の方が
気を付けるべき
生活習慣・食事の工夫

潰瘍性大腸炎は食事やストレスと強く関連することが知られています。
再燃を防ぎ、寛解をできるだけ長く保つためには、薬だけでなく日常生活での工夫が欠かせません。

  • 消化の良い食事を心がけ、脂質や香辛料、アルコールは控える

  • 規則正しい生活で睡眠を十分にとる

  • ストレスを溜め込まず、適度な運動やリラクゼーションを取り入れる

  • 下痢が続く時期は水分と電解質の補給を意識する

また、再燃の兆候に早めに気づくために、便の状態や体調を日記のように記録するのも有効です。

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潰瘍性大腸炎の検査・診断

潰瘍性大腸炎は、症状だけでは他の腸の病気と区別がつきにくいため、正確な診断には複数の検査を組み合わせることが欠かせません。
下痢や血便、腹痛といった症状が続いた場合でも、それが感染性腸炎なのか、痔からの出血なのか、それとも炎症性腸疾患なのかは、医師の問診や検査を経なければ判断できません。
そのため、「いつもの胃腸の不調」と思って放置せず、早めに専門的な検査を受けることが大切です。

潰瘍性大腸炎の検査項目

  • 問診・身体診察

    内容これまでの症状の経過や生活習慣、家族歴などを確認

    目的潰瘍性大腸炎の可能性を絞り込む

  • 血液検査

    内容貧血や炎症反応(CRP)、肝機能・腎機能などを調べる

    目的全身状態を把握し、炎症の有無を確認

  • 便検査

    内容便に潜んでいる血液や細菌・寄生虫の有無を確認

    目的感染症や大腸がんとの鑑別

  • 画像検査(CTやMRIなど)

    内容腸管の炎症範囲や合併症(穿孔・膿瘍)を確認

    目的重症度の評価や他疾患との鑑別

  • 大腸内視鏡検査

    内容肛門からカメラを挿入して、大腸全体を直接観察

    目的潰瘍やびらんの有無
    炎症の広がりを確認

  • 生検(組織検査)

    内容内視鏡検査中に腸粘膜を一部採取し、顕微鏡で観察

    目的癌や他の炎症性疾患との鑑別に必須

潰瘍性大腸炎の確定診断において最も重要なのが「大腸内視鏡検査」です。
大腸の粘膜を直接見ることができるため、潰瘍や炎症の範囲を詳細に把握でき、また内視鏡で採取した組織を顕微鏡で調べることで診断の精度が高まります。
さらに、大腸がんや腺腫(ポリープ)の合併も早期に発見できるため、治療方針の決定に直結します。

潰瘍性大腸炎の検査を
受けられる方へ

検査は痛いのではないか・・・

下剤を飲むのがつらいのでは・・・

不安を抱かれる方も少なくありません。
当院での内視鏡検査では、専門医の独自の技術と細やかな配慮により、痛みや不快感を最小限に抑え、リラックスした状態で検査を受けていただけます。
ご希望の方には、鎮静剤を用いることでウトウトしている間に検査を行うことも可能です。
不安や疑問は遠慮なく医師やスタッフに相談することが大切です。

診断までの流れ(一例)

  • STEP01問診・検査

    初診では問診と血液検査・便検査を行い、炎症や感染の有無を確認いたします

  • STEP02大腸内視鏡検査

    炎症性腸疾患が疑われる場合、大腸内視鏡検査を実施いたします

  • STEP03診断

    内視鏡で得られた所見や生検結果をもとに、診断いたします

潰瘍性大腸炎は症状の出方が個人差も大きく、他の腸疾患とも似ているため、「検査をして初めて確定できる病気」といえます。
特に血便が続いている場合は痔だと思い込んで放置せず、早めの大腸内視鏡検査を受けることが重要です。

潰瘍性大腸炎と
長く付き合うために

潰瘍性大腸炎は「一度治ったら終わり」という病気ではなく、長く付き合っていく性質を持っています。

  • 治療を中断せず、医師と二人三脚で経過を見守ることが何より大切です。
  • 症状が落ち着いている時期でも、薬をやめてしまうと再燃する危険が高まります。
  • 逆に、根気よく治療を継続できれば、長期的に安定した生活を送ることも十分に可能です。

当院の内視鏡の特徴

  • 01熟練の内視鏡専門医による大腸カメラ検査

    当院では経験豊富な内視鏡専門医が丁寧に大腸カメラ検査を実施しています。細かい部分までしっかり確認し、安心安全に下部消化管内視鏡検査を行います。

  • 02平日忙しい方でも実施可能な土曜日の大腸カメラ検査

    平日に時間が取れない方のために、土曜日の大腸カメラ検査を実施しています。お仕事がお忙しい方や主婦の方などでも受診しやすい体制を整えております。

  • 03オリンパス社製の高性能内視鏡システム「EVISX1」導入

    オリンパス社製の高性能内視鏡システム「EVISX1」を導入しています。高精細な画像でより正確な診断が可能となり、大腸がんなどの早期発見・早期治療に努めています。

  • 04快適に受けられる大腸カメラ検査
    患者さまに合わせた選択肢をご提供

    当院では、患者さまお一人おひとりのご希望に合わせて、快適に大腸カメラ検査を受けていただける環境を整えています。鎮静剤を使用しない検査でも、専門医の独自の技術と細やかな配慮により、痛みや不快感を最小限に抑え、リラックスした状態で検査を受けていただけます。また、ご希望の方には鎮静剤を使用した「眠ってできる大腸カメラ検査」のオプションもご用意しております。

  • 05高性能内視鏡AIシステムの完備

    内視鏡AIは大腸カメラ検査時にAIを使用し高い精度で大腸がんや大腸ポリープを検出することができるシステムです。内視鏡専門医の目とAIの目で見逃しを防ぐことが可能となります。

  • 06完全個室のテレビ付き
    待機室・リカバリースペース完備

    完全個室の待機室を完備し、プライバシーにも配慮しております。待機室にはテレビも完備しており、院内での下剤服用時にもリラックスしてお待ちいただけます。また、内視鏡検査後はリカバリースペースにて、ゆっくりと回復して頂くこともできます。

  • 07日帰り大腸ポリープ切除

    大腸ポリープは、大腸カメラ検査中に発見された場合、その場で切除する日帰り手術が可能です。日帰り手術は入院の必要がなく、経済的や時間的な負担が少なくなります。

  • 08専門医による潰瘍性大腸炎
    クローン病の手厚いフォロー

    大学病院においての炎症性腸疾患専門外来の経験がある専門医により、潰瘍性大腸炎・クローン病の治療を行っています。患者さまと医療者が協働で意思決定するShared Decision Making (SDM) のアプローチで、 患者さまの健康と幸福を最優先に考えた医療を提供することを目指しています。

気になる症状があれば、
まずは当院にご相談ください

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当院の内視鏡医について

IBD専門医・内視鏡専門医 片野 敬仁

経験豊富な熟練のIBD専門医・消化器内視鏡専門医により「つらくない胃カメラ検査・大腸カメラ検査・内視鏡検査」を実現し、患者さまにやさしい診療を心がけています。
消化管の症状をきたす背景には、食道がん・胃がん・大腸がんなどの悪性疾患だけでなく、逆流性食道炎、胃炎、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、細菌やウイルス感染による感染性胃腸炎、機能性胃腸症(機能性ディスペプシア)、過敏性腸症候群(IBS)などの多彩な疾患が潜んでいます。
内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)によって消化管の内部を直接観察することが、早期発見・正確な診断に必要です。
そして、それに基づく適切な治療によって、症状を改善させることにつながるのです。
早期のがんでは症状がほとんどありません。「たぶん大丈夫だろう」と安易に放置せず、何か気になる症状があれば、早めにご相談ください。

主な資格

  • 医学博士
  • 日本内科学会認定総合内科専門医
  • 消化器病学会消化器病専門医・指導医
  • 消化器内視鏡学会専門医・指導医・学術評議員
  • 消化管学会胃腸科専門医
  • 日本炎症性腸疾患学会IBD専門医

経歴

  • 2003年
    名古屋市立大学 医学部 卒業
    名古屋市立大学病院 研修医
  • 2004年
    愛知県厚生連知多厚生病院 内科
  • 2008年
    春日井市民病院 消化器内科
  • 2012年
    名古屋市立大学病院 消化器内科
  • 2015年
    名古屋市立大学大学院修了(医学博士)
  • 2017年
    名古屋市立大学大学院医学研究科 消化器・代謝内科学 病院助教
  • 2018年
    Stony Brook University (NewYork)Postdoctoral Associate
  • 2022年
    名古屋市立大学大学院 医学研究科 消化器・代謝内科学 助教
  • 2023年
    梶の木内科医院

アクセス

梶の木内科医院
住所
岐阜県可児市川合2340-1
電話番号
0574-60-3222
診察時間
09:00 ▶ 12:00
14:00 ▶ 18:00 -
休診
木曜・土曜午後、日曜、祝日
受付時間
8:30-11:30/13:45-17:30
(土曜は12:30まで)